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「あたご」判決で考える

2011/05/12 15:46

 

 3年前に房総半島沖で発生した自衛隊イージス艦「あたご」と漁船の衝突事件で、横浜地裁は「あたご」の当直責任者であった3等海佐2人に無罪(求刑禁固2年)を言い渡した。

 

 裁判の結果だから厳粛に受け止めたいが、あの当時、以下のようなコラム記事を産経新聞に書いていたのを思い出した。

 

 こういう事件が起きると、自衛隊へのすさまじいばかりのバッシングとなる。自衛隊「悪玉」論が席巻するのだ。

 

 そういう社会状況にひとこと、ものを言いたかった。改めて再掲したい。

 

 

 

 

 

<<「なだしお」「雫石」の再現を憂える>>
【産経新聞連載コラム「政論探求」2008年2月27日付・再掲】

 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故をめぐり、野党は石破茂防衛相の辞任を要求している。漁船の父子2人がいまだ行方不明という痛ましい事故だ。むろん、第3管区海上保安本部には徹底捜査を望みたい。

 前防衛事務次官の「ゴルフ接待汚職」といい、相次ぐ機密漏洩といい、防衛省・自衛隊には「タガの緩み」を払拭して本来の国防任務をまっとうできるよう、大改革・大刷新を求めなくてはなるまい。

 そうしたことを前提として、あえて言及しなくてはならないのは、今回の事故の受け止め方が、「なだしお」「雫石」を連想させることだ。

 昭和63年7月、海自潜水艦「なだしお」と遊漁船「第一富士丸」が横須賀沖で衝突、「第一富士丸」が沈没し、30人が犠牲となった。これより先、昭和46年7月には、岩手県雫石町上空で全日空の旅客機と訓練中の航空自衛隊戦闘機が衝突、双方とも墜落して全日空機の162人全員が死亡した。戦闘機の訓練生はパラシュートで脱出、生還した。

 いずれも悲惨な事件であったが、共通しているのは、自衛隊側を非難する報道ラッシュと当時の防衛庁長官が辞任したことだ。これにより、自衛隊側が100%悪いというイメージが定着した。

 だが、「なだしお」の場合、海難審判では双方に過失があったとされ、刑事事件としても「なだしお」艦長と「第一富士丸」船長に執行猶予付きの禁固判決が出ている。

 「雫石」の場合、訓練生とこれを指導していた別の戦闘機の教官が業務上過失致死、航空法違反で逮捕、起訴されたが、訓練生は無罪、教官は執行猶予付きの禁固刑となった。刑事裁判では全日空機側の衝突回避対応の遅れも認定され、民事裁判では過失割合が「国2、全日空1」とされた。

 つまり、いずれも発生直後の「自衛隊全面悪玉」報道と最終的に明らかにされた構図とは、相当の食い違いがあったのだ。

 海上衝突予防法では、ほぼ真向かいですれ違う場合(「行き会い船」という)は右側通行を義務付け、一方で、互いに進路を横切る場合(「横切り船」)は、相手を右側に見る側は相手の進路を横切ってはいけない、などと定めている。

 「清徳丸」の僚船は1隻が右左に蛇行し、他の1隻は「あたご」の直前を横切っている。「あたご」が漁船群の中を自動操舵で進行しようとしていたのも不可解には違いないが、見張り隊員が「相手がよけてくれると思った」と証言しているという報道もある。

 事故原因は現段階では断片的に伝えられていることばかりなのだ。ここは政治の舞台でも冷静さがほしい。「なだしお」のケースでは、国際社会では「軍艦」の通航が最大限に優先されるのが常識、という指摘があったことも想起しておきたい。

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原発、重要なのはテロ対策

2011/05/11 03:13

 

 「3・11」から2カ月。現地の混乱は依然として続いている。

 

 福島原発の封じ込めに向けて、決死の対応が展開されている一方、中部電力は菅首相の政治がらみの要請をあっさりと受けて、浜岡原発の停止を決めてしまった。

 

 「3・11」は何を突き付けたのか。そこがどうにもあいまいなまま、ここまで来てしまった。政治の責任者たちが本当に必要なことを認識していないのではないか。

 

 安全保障の観点からすれば、日本の原発を攻撃しようと思えば、いとも簡単にやれるということがはっきりした。

 

 建屋の屋根をちょっとした火器でふっ飛ばせばいい。これだけで、日本中、震え上がる。

 

 本来は、ここが最も重要なポイントであるようにも思えるのだが、政治サイドからそうした話は聞こえてこない。

 

 米ウオールストリートジャーナルはその現実をこう伝えている。

 

 以下、引用。

 

日本の原発、テロ攻撃対策も不十分-ウィキリークスの米外交公電

2011年5月9日(月)8時28分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 

 

【東京】福島第1原子力発電所の事故は、地震と津波に対する日本政府の原子炉安全対策上の欠陥を露呈した。しかし内部告発サイト「ウィキリークス」が先週末発表した米政府の外交公電によれば、米当局者は近年、テロ攻撃に対する原子力施設防衛でも日本政府が十分な予防策を講じていないと懸念していたことが 明らかになった。

 

ウィキリークスの公表した一連の外交公電では、米当局者は日本政府側に対し、安全対策を強化するよう繰り返し促していたが、そのたびに日本側から拒否されていたという。 

米国務省はコメントを拒否している。日本政府のコメントは8日現在、得られていない。

 

2007年2月26日、東京の米大使館は本国の国務省に送った公電で、「原子力施設の物理的な保護をめぐる米国の懸念」を伝えている。こうした懸念に対し、日本の文部科学省の原子力安全担当者は米側に対して「地元のニーズと資源から判断して、現場に武装警官を配備しなければならないほどの脅威はない」と述べたという。 

 

問題となったのは、茨城県東海村の核燃料再処理工場で、プルトニウム貯蔵施設の役割も兼ねている。 

 

ウィキリークスの公表した米外交公電によると、日本では一部の原子力施設に武装警官を配備しているが、東海村の施設を含む54カ所の原子力発電所の警備状況をみると、民間の警備会社と契約している場合、武装していなかった。日本では民間の警備会社の武装は禁じられている。

 

同じ公電によれば、日本側は、扱いに注意を要する情報に触れることのできるすべての原発職員に対する素性調査をするよう求めた米側の要求も拒否した。一部の原発運営会社は自主的に職員の履歴を検査したが、こうした素性検査は日本の憲法上、法的に義務付けられなかった。また、極めて微妙なプライバシー問題を提起しかねないと懸念する日本政府の意向もあったという。ただし、文科省当局者は、「非公式ならば」職員の素性を検査できるかもしれない、と譲歩したという。 

 

北朝鮮が不安定で攻撃的な核政策を追求していることと、イラクアフガニスタンでの米国主導の作戦に対する日本の役割を受けて、日本政府は近年、テロ対策を強化した。しかし、一部原子力施設で物理的な対策を強化したとはいえ、東京の米大使館から送られた公電では、欠陥と考えられる点が詳述されている。

 

 例えば、日本はテロ攻撃に対してどう対応するか大規模な訓練を実施しているが、2006年に訓練を見学した米当局者は、訓練の台本があまりに周到に計画され過ぎていて、訓練の現実味がかえって薄れてしまっていると公電で書き送っていた。

 

日本が初めて政府肝いりで核テロに対する訓練を実施したのは2005年11月のことで、福井県の美浜原発で2000人近くが参加した。

 

この訓練の模様を詳述した2006年1月の公電によると、東京の米大使館当局者は訓練前に現地を訪問した。その際、福井県の当局者は米側当局者に対し、北朝鮮の潜水艦が周辺水域に出没していたことがあると述べ、北朝鮮によるテロ攻撃の脆弱性を懸念していると語った。米当局者は「この期間中、警備体制が敷かれたが、欠陥があるようだ」とし、「訪問した当日、商業原子力施設で警官がいたのを目撃したが、6人ばかりの警官の乗った軽装備車両で、警官の一部は居眠りしていた」と伝えた。

 

また、一部の原子力業界の幹部の中には2005年にこうしたテロ対策訓練を開始した際、その意味を疑う向きもあった。

 

例えば、2006年9月の訓練後に送られた米大使館員の公電によれば、東海村のトップは「私見」として「現地の住民にとって放射性物質の放出のほうがテロ以上に現実的な脅威だ」と述べ、どちらのシナリオを優先すべきか迷うと語ったという。

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関連お題

中部電力は「いなか企業」だった・・

2011/05/10 02:22

 

 中部電力はやはり中部電力だった。というのもおかしいが、つまりはいなかの企業だった。政治情勢を踏まえた大決断などとうてい無理だったのか。

 

 それにしても、菅首相が夜7時のNHKニュースを意識した緊急記者会見から3日。もうちょっとこらえてもよかった。

 

 あの緊急会見が何を意味していたか、中部電力には理解できなかったのだろうか。菅首相の延命をかけた政治的思惑を見とおすことなど、無理だったのだろう。

 

 政府から金融支援やらコスト増要因への支援の約束を取り付けたようだ。

 

 当座を乗り切れるとなって、日本の原発政策の今後がこれで大きく左右されるといったことへの配慮など、吹っ飛んでしまった。

 

 経団連会長がこの一件を厳しく批判している意味合いをよーくかみしめることだ。

 

 東京電力への電力融通も打ち切りだという。これで東電の状況は一段と厳しくなる。

 

 中部電力は政財界での企業イメージをガタ落ちにさせてしまったことを真剣に認識すべきだろう。

 

 ポピュリズムに翻弄された悲しい企業という以外にない。

 

 以下、読売配信の参考記事 

「パフォーマンスだ」経団連会長、首相要請批判

2011年5月9日(月)21時23分配信 読売新聞 

ニュース本文

 日本経団連米倉弘昌会長は9日の記者会見で、菅首相が中部電力の浜岡原子力発電所の運転停止を要請したことについて、「思考の過程がブラックボックスだ。政治の態度を疑う」と述べ、政府での検討過程を明らかにしないまま停止を要請したことを「政治的なパフォーマンスだ」と批判した。

 米倉会長は「総理の(運転停止の要請)発表は停止命令に近い発言として受け止められる」と指摘。30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が起きる可能性を87%とみて要請した点についても「唐突感は否めない」などと述べた。

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会見のオープン化はやはり・・・

2011/05/09 02:14

 

 福島原発関連の記者会見が統一して行われることになったが、案の定、大混乱だそうだ。

 

 産経配信記事(下記関連ニュース参照)が伝えている。

 

 当方もある時期まではできる限り会見をネットでフォローするようにしていたが、このごろはばからしくなってやめた。

 

 記者会見開放を主張してきた人たちには、会見オープン化が必ずしも言論の自由を担保するとはかぎらないということがよく分かったのではないか。

 

 

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中部電力は負けるな

2011/05/09 00:21

 

 中部電力にはなんとかがんばってほしい。菅首相の理不尽な「要請」に負けてしまっては、民主主義は成り立たない。

 

 このままいくと、中部電力は浜岡原発の全面停止に追い込まれるだろう。そこで生じるあらゆる負担増について、菅首相から「すべて政府が面倒を見る」という確約を得ての話なら、まだ企業のありかたとしては許されるだろうが、それがなければ株主代表訴訟が起こされるのは目に見えている。

 

 政府部内でとことん検討したフシもないし、この夏の電力不足にどう対応しようとしているのか、まったく見えてこない。

 

 要するに、世間受けをねらった菅首相のパフォーマンスなのだが、これが民主主義の時代の国家指導者のあり方か。

 

 民主主義というのは手間がかかるものだが、そこを抜きにして、一方的に「要請」の名のもとに事実上の「命令」を民間企業に対してくだす。

 

 これは民主主義ではない。独裁に通じる。

 

 民主党民主党だ。浜岡原発全面停止の方針に対して、一般の受け止め方は好意的であると見ているためか、首相判断に対する厳しい声があまり聞こえてこない。

 

 ことは浜岡原発の問題にとどまらない。首相が法的範囲を超えて、政府部内でまったく調整が進んでいないことを独断で打ちだす。

 

 そのことへの深刻な危機感が見えてこない。民主党は議会制民主主義にのっとった政党であるのかどうかが問われているのだ。

 

 繰り返すようで恐縮だが、内閣総理大臣に中部電力に対して浜岡原発停止を命ずる権限はない。その法的に認められていないことを独断で打ちだしたのだ。

 

 経済産業大臣を通じての要請である、というのは建前であって、事実上は、夜の緊急記者会見で突然打ち上げたのだから、これは独裁者的首相の「命令」だ。

 

 中部電力は最後までがんばってほしい。ここで負けたら、日本の民主主義は壊滅するぐらいの気持ちになってほしい。

 

  菅首相が本当に浜岡原発はあぶないと見ているのなら、政府関係当局で徹底して議論、調整して、きちんとしたデータに基づいた対応策を出せばいい。電力不足をどうまかなうのかの計画案を示せばいい。

 

 そこのところがすっぽりと抜け落ちているから、独裁者の手法に通じてしまうのだ。

 

 だいたいが、首相が夜の緊急会見で打ちだしたものを、民間企業である中部電力がただちにしたがわなかったことで、首相の権威はまるつぶれになったのだ。

 

 となると、このあと、首相がどういう行動に出るのか、そこが怖い。権力の行使はできる限り抑制的であってほしい。それが民主主義の鉄則だ。

 

 手間と時間がかかろうとも、納得づくでことを進める。それが民主主義ではなかったのか。

 

 

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「浜岡」めぐり、致命的失態

2011/05/08 02:47

 

 浜岡原発は菅首相の「政治的限界」を象徴するものとなった。

 

 中部電力は7日、取締役会を開いて、6日夜の「浜岡原発停止要請」について検討したが、結論を持ち越した。

 

 この過程で明らかになったのは、菅首相が政府部内や中部電力との事前の調整をまったくしないまま、夜の緊急記者会見で誇らしげに「浜岡停止」を発表したという経緯だ。

 

 これはあまりに政治的に稚拙すぎる。首相が夜の緊急会見で明らかにしたことがそのままただちに実施されないということは、首相の指導力ゼロを意味する。

 

 まあ、中部電力はこのまま押し切られるのだろうが、ならば、政府に対して、電力の安定供給に必要な費用をすべて請求すべきだろう。

 

 でなければ株主が納得するわけがない。それが民間企業のスジというものだ。

 

 浜岡停止によっても電力供給を万全なものにするためには、火力発電所のLNG調達など相当な費用がかかるとされる。

 

 これはすべて菅首相の「浜岡停止」という政治判断によるわけで、中部電力は堂々と請求すればいい。

 

 これは結果的に税金から支払われることになる。これを国民が認めるためには、この無謀な判断を下した菅首相に、まずもって「身銭」を切る構えを取ってもらわないといけない。

 

 首相としての報酬をすべて吐き出し、私財を全部提供するぐらいのことから始めなければならない。

 

 菅首相が「浜岡停止」の勝手な判断をしなかったのなら必要にはならなかったはずのカネがかかるのだから、まずもって菅首相に身を切る覚悟をしてもらわないといけない。

 

 繰り返すが、政府の関係当局や中部電力が調整をしつくしたうえでの「浜岡停止」なら、そういう問題は起きない。

 

 菅首相が独断的にくだした判断なのだから、そうするのがスジだ。理工系の菅首相なのだから、そのくらいの論理的計算はできるはずだ。

 

 

 

 

 

 

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小沢氏の議席を抹消する方法?

2011/05/07 03:02

 

 これはおもしろい記事である。あえて全文を再掲する。当ブログに記録しておく意味も含めて。

 

 たしかに、この手法がうまくいけば、小沢氏の議席を抹消させることが可能になるかもしれない。もっともそこまでいけば、もう、しっちゃかめっちゃか(変な表現だが、かつて政局が読めなくなると、この表現で逃げる政治記者の先輩がいた)で、菅さんもおしまいになってしまうだろうが。

 

 以下、産経ネット配信記事。

 

「菅降ろし」に解散で対抗?選挙ボイコットで衆院大量欠員ものニュース本文

01:17更新

 菅直人首相に退陣を求める「菅降ろし」が広がる中、衆院で内閣不信任案が可決されれば、首相が解散で対抗しかねないとの観測がなおくすぶる。東日本大震災で被災地の自治体がまひ状態に陥り、解散はほぼ不可能とされる中で、破れかぶれで解散を打てば、被災自治体が選挙をボイコットし、衆院議員が大量欠員となる可能性もある。想像を絶する大混乱に陥ることに違いないが、「想定外」はもはや可能性ゼロと同意語でない。(杉本康士)


 大震災を受け、3月18日に地方選に関する延期特例法が成立した。統一地方選を含み6月10日までに任期満了を迎える岩手、宮城、福島、茨城4県49市町村で計60の首長・議員選が最長で9月22日までの延期が認められた。


 それでも9月までの選挙実施のめどが立たない自治体が数多くあるため、政府は来年5月までの再延期を認める特例法を今国会に提出する方針。併せて6月以降に任期満了を迎える地方選の延期も検討する。


 なぜそれほど被災地での選挙が困難なのか。


 政府の被災者生活支援特別対策本部のまとめ(4月28日)では、大震災により全国で約13万人、東北3県で約11万人がなお避難所生活を送る。親戚宅に身を寄せるなど避難所以外に疎開した人の数は依然として分かっていない。このような状況で選挙人名簿に基づいて作成した投票所入場券を被災者に送付するのは至難の業だといえる。
 

 仮に被災者が避難先で住民登録しても選挙人名簿に登録されるのは3カ月後となる。それまでは旧居住地で選挙権を有するが、投票所入場券を受け取ることが難しい上、避難所が旧居住地から離れている場合は投票に行くのも大変だ。


 さらに深刻なのは、宮城県女川、南三陸両町など津波で役場が損壊し、住民基本台帳が損傷した自治体。選挙人名簿は各自治体の住民基本台帳に基づいて作成されるが、これらの自治体では選挙人名簿を作成することさえできない。


 加えて被災地で多数の行方不明者が存在する。住民基本台帳に行方不明の事実が反映されるのは、通常ならば災害から1年後。家裁が失踪宣告を行った後となる。今回の大震災では警察に届け出がある行方不明者だけでも1万人を超えており、生存する有権者数さえも正確に確定できない。


 つまり、この状況で国政選挙が行われれば、多くの被災者が憲法15条で保障された選挙権を行使できなくなるわけだ。
 

 ところが、延期特例法の対象は地方選に限られており国政選挙は対象外。法解釈上は首相の解散権は制約を受けていない。
 そこで首相が衆院解散を強行するとどうなるか。
 

 4月の千葉県議選で浦安市が選挙事務を拒否したように被災地の多くの自治体が選挙事務を拒否する公算が大きい。県レベルで拒否する可能性もある。


 そうなると政府は地方自治法に基づき是正指示を出すことができるが、法的拘束力はない。「準備ができたら速やかに実施してほしい」とお願いするしか手はないのだ。
 

 自治体が選挙事務を拒否すれば、その選挙区は国会議員が不在となる。仮に岩手、宮城、福島の被災3県が選挙をボイコットすれば、衆院比例代表の東北ブロックも選出できず、29議席が空席となる。岩手4区選出の小沢一郎民主党元代表も議席を失うことになる。


 国政選挙で一部地域の投票が延期されたのは、昭和40年参院選の熊本県坂本村と五木村、49年参院選の三重県伊勢市と御薗村の2例のみだ。水害発生がその理由でいずれの自治体も投開票日を1週間延期しただけだった。衆院選での部分延期は例がない。


 一方、「一票の格差」訴訟で最高裁大法廷が3月23日に出した判決も重くのしかかる。この判決は最大格差2・30倍だった平成21年の衆院選を「違憲状態」と断じ、衆院小選挙区の定数300を47都道府県に1ずつ割り振った上で残りを人口比で比例配分する「1人別枠方式」の廃止を求めた。現行選挙制度のまま解散すれば、違憲判決を受ける公算が大きい。
 

 だが、現行制度で一票の格差を是正するには小選挙区で都道府県別に「21増21減」の区割り見直しが必要となる。この案で与野党が一致する可能性はほとんどなく、仮に今国会で法改正しても衆院選挙区画定審議会(区割り審)が首相に新たな区割りを答申するのは早くても半年後となる。


 それでも首相が解散を強行すればどうなるか。


 首相は激しい非難を浴び、選挙無効などを訴える訴訟を山ほど抱えることになるだろう。自ら議席を失う可能性もある。ただ、「死なばもろとも」とばかりに宿敵の小沢氏の失職を狙って首相が強引に解散することを決して「あり得ない」とは言えまい。

 

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静岡の人は脱出準備を!

2011/05/07 01:01

 

 菅首相が6日夜、静岡の浜岡原発について、中部電力に運転停止を要請したことを発表した。

 

 一国の首相が夜の緊急記者会見でこういうことを発表するというのはどういう意味を持つか。

 

 首相自身は記者会見でこう言っている。

 

 「これから30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する確率は87%・・・」

 

 であるにもかかわらず、現在、中部電力が進めている対応策ではだめだというのである。

 

 首相にはあらゆる情報が入る。夜に緊急会見でこういう発表をしたということは、東海地震発生の確率が高まったという特別の情報を得たということか。

 

 まして、5日に海江田経済産業相が現地を視察し、緊急安全対策が万全かどうか、近く結論を出すと明言したばかりである。

 

 その結論が出て、緊急に運転停止をしなければ大変な事態になると判断したからこそ、夜の緊急記者会見になったのだろう。

 

 でなければ、中部電力の社長を昼間に呼んで、会談の場で正式に要請すればいい。その時間的余裕もなかったということだろう。

 

 とりあえず静岡の人たちは脱出準備を始めるべきだ。間に合うのなら今夜中に、できるだけ遠くへ逃げること。

 

 首相の夜の緊急記者会見というのは、それほどの重みがあるのだ。

 

 地元の人たちは「寝耳に水」と騒いでいるが、寝ているヒマなどない。ただちに行動を起こさねば・・・

 

 

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なんだか似てます

2011/05/06 16:21

 

「フーズ・フォーラス」本社前の路上で、土下座して謝罪する勘坂康弘社長=5日午後、金沢市

 

 ユッケで死者を出した焼き肉チェーンの社長も土下座。

 

 このごろ、この手の写真が多いようで。

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なんともいやな写真だ

2011/05/05 06:02

 

浪江町長との面会後、待ちかまえていた浪江町民に原発事故の謝罪を求められ、土下座で謝る清水正孝社長ら東京電力関係者=5月4日、福島県二本松市の東和支所(撮影・早坂洋祐) 

サブフォト

二本松市内の避難所で、浪江町の町民らに原発事故につてい土下座で謝罪する清水正孝社長(手前左)ら東京電力関係者=5月4日、福島県二本松市のあだたら体育館(撮影・早坂洋祐)
二本松市内の避難所で、浪江町の町民らに原発事故とその補償について説明する清水正孝社長ら東京電力関係者=5月4日、福島県二本松市のあだたら体育館(撮影・早坂洋祐)
二本松市内の避難所で、浪江町の町民らに原発事故とその補償について説明する清水正孝社長ら東京電力関係者=5月4日、福島県二本松市のあだたら体育館(撮影・早坂洋祐)
二本松市内の避難所で、浪江町の町民らに原発事故とその補償について説明する清水正孝社長(右から2人目)ら東京電力関係者=5月4日、福島県二本松市のあだたら体育館(撮影・早坂洋祐)
浪江町長との面会後、待ちかまえていた浪江町民に原発事故の謝罪を求められ、土下座で謝る清水正孝社長ら東京電力関係者=5月4日、福島県二本松市の東和支所(撮影・早坂洋祐)
二本松市内の避難所で、浪江町の町民らに原発事故を起こした事を土下座で謝る清水正孝社長(手前右から4人目)ら東京電力関係者=5月4日、福島県二本松市のあだたら体育館(撮影・早坂洋祐)
小学校の体育館に集められたを浪江町で回収された写真やアルバムを見る清水正孝社長ら東京電力関係者=5月4日、福島県二本松市の針道小学校(撮影・早坂洋祐)

 

 東京電力の清水社長らが避難住民に土下座した。こうした写真を見て、なんともいえぬ不快な気分にさせられるのは小生だけではないようだ。

 「2ちゃんねる」あたりでは、住民側を批判する声も強い。

 

 原発事故によって強制的に避難させられている人々には多大な同情が寄せられている。

 

 東電側の対応も後手に回ったのは確かだ。

 

 そうしたことをすべて承知のうえで、こういった写真が出ることが住民にとっていいことなのかどうか、考えてしまう。

 

 「土下座しろ」と迫る気持ちは分かるにしても、国民のシンパシーを減殺してしまうのではないか。そこを懸念している。

 

 

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